
心理検査の大半は目録式(index) という設問形式になっており、それは「あなたは〇〇〇ですか」または「××× な傾向がありますか」という設問で構成されています。質問に対する回答に虚偽が入ることはない、という大前提の上で構成されているため、あまり現代では支持されていません。簡便に数量化できるという利点があるものの、検査ごとに、なりたい自分になりすまして、回答を自由に作り上げられる捏造という弱点があるからです。
それに対して、少数ながら専門の分析者の作業をともなう心理検査があります。今回採用したSCT(絵画主題連想法) は白黒の風景や人物像を提示し、それについてストーリーを作るというものです。回答者に虚偽や意図的な反応ができにくい利点を持ちますが、回答を分析できる専門家がごく少ないという問題点があります。そこで、人工知能(Sincipal) を使って、専門家レベルの解釈を可能にしました。このSCT と目録式と併用しているため、設問数が少なくてすみ、短時間で精密な分析を得ることができるのです。
人工知能(AI)が急速に進化しています。チェスや囲碁などのゲームでは、AIのほうが人間の世界一の強者に勝ってしまいます。
そんな中、私たちはコンピュータを使って、人々の書いた文章を読み解き、どんな意味が書かれているか短時間に結論づける手法を発明しました。
それは、文章を独立語単位で単語群を切り出し、それを意味によって主成分分析(Principal Component Analysis)にかけるというものです。
数十個の成分が抽出され、用いられた単語を3~6個使って並べていくと、なんとそこには人間にわかる文(自然文:センテンス)が描かれています。
この手法は購入した商品について使用した感想、改善策の提案、食品を食べたり飲んだりした感覚、政治や経済や社会に対する意見や希望など
利用できる範囲はとても広く、活用される機会が増えてきました。最近では、人材採用のときのエントリシートの解読や記述試験にも使用されています。
真面目さ、几帳面さ、ずるさ、諦めやすさ、芸術家タイプ、情に厚く優しい人など20方面の価値観と行動意識が個人別に数量化されます。
もはや主観的な面接よりも信頼性の高い人事採用のツールとなっています。
開発者 高根定信 (1951 大分県生まれ)
1976 | 慶応義塾大学産業研究所「文章完成法心理検査」資格取得 |
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1978 | 政府留学 (ASEAN 進出日系企業の人事調査) |
1983 | 慶応義塾大学院社会学研究科修士課程修了・同博士課程中退 |
1984 | 共栄大学専任講師(教育心理学、社会心理学) |
1985 | 神戸製鋼所、新人事制度策定委員 |
1986 | 慶應義塾大学文学部社会学科講師(SAS を使った統計学) |
1988 | 松本大学助教授(社会心理学) |
1991 | 信州大学講師(経営工学) |
1993 | 信州ジャスコ(現イオン) 顧問 |
1998 | 日本能率協会講師(データマイニングとテキストマイニング) |
1999 | コムネットシステムに人材採用心理検査提供(テクノぷしけ) |
2001 | (財) 角川基金出資により㈱組織活性化研究所設立、代表取締役 |
2004 | 本田技研工業と共同特許(AI) 取得(第3600611 号) |
2005 | パナソニックと特許申請、人工知能装置提供 |
2006 | オリエンタルランドと人工知能特許申請 |
2015 | (財) 日本経営開発協会講師(人工知能を使った人材採用) |
2017 | ブレインアカデミーに職業採用心理検査提供(シンシパル) |